デカダンス ダンス

地獄詩人ヘルポエマーによる地獄詩のブログ。

波乗りジョニー

岩井俊二監督作品「打ち上げ花火、下から見るか、横から見るか」で描かれていた小学生の恋愛がとてもおセンチで素晴らしかったので私自身の小学生頃のことを思い出した。ここからは、本作品を元に思い出した恋愛エピソードを記事にする。我ながら気色悪い。

 

 

小学校4~5年くらいのクラスは、イケてる男子vsイケてる女子と、第三世界といった具合で構成されていた。私は、小学生の頃はキョロ充だったので(高校はキョロ充もどき、大学はキョロ充ですらない)、かろうじてイケてる男子グループに属していた。上記対立構造における戦闘とは、男子が女子にちょっかいをかけ、女子が「ちょっと、男子~」と言いながら追いかけてくるというものである。そして、一段落つくと男子で集まり、本当は嬉しいくせに「○○が追いかけてきて、めんどくさかったわ~。まじだりい」等とこぼしあうのである。私も、女子へのちょっかいは多分にかけていたが、好きな子にやる勇気がなく、気負わずにできる範囲の子だけにちょっかいをかけていた。昔から私は、情けない。また、他の男子が私の好きな女子にちょっかいをかけるたび、そいつに対して「××(好きな子)くそウザいよな。」といいつつ羨ましく思っていたものだ。

 

基本的には男子と女子が仲良くすることは恥ずべきことであり、かわいい嫌がらせをすることでしかコミュニケーションをとることが出来なかったわけだが、野外活動のキャンプファイア中は違った。地元から遠く離れたキャンプ場で、夜に燃え上がる炎を眺めるという状況に加えて、先生方がラジカセで流していた流行りのJ-POPも助長し、いつもとは違う雰囲気が形成され、男女が仲良く話す空間ができていた。

 

キャンプファイアが盛り上がりを見せ始めたときに、ラジカセから桑田佳祐波乗りジョニーが流れた。当時は、瑛太の出演しているコカ・コーラCMのタイアップに起用されており、CM内容としては大学キャンパスと思われるところでキスをするというものだった。

 https://youtu.be/wt5PCxQa070

その小学生からするとハレンチ極まりないそのCMが印象的であったこともあり、バーニングソウルな私は、このチャンスに好きな子と話したいと思った。しかし、やはり勇気が出ずに遠目に見ることしか出来なかった。

同じ波はもうこない 逃したくない

君を守ってやるよ 神に誓った夜なのに

弱気な性と裏腹なままに 身体疼いてる

 波乗りジョニーの歌詞にとても共感した。あとは、中3の頃はスキマスイッチガラナの歌詞に対して、「あー、そうそう。その感じ、あるあるだよね~」と感じていた。

 

結局、その子とはほとんど話すことがないままクラス替えとなり、その後私は、転校してしまっている。その子の顔が全く思い出せないが、そのキャンプファイアのことだけやけにハッキリと覚えている。ということで、思い出のあの子の顔は奥菜恵のバリ可愛い全盛期のものということにしておこう。


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 ここからも小学生の頃の色恋沙汰について書こうと思う。

私が転校する少し前くらいに、クラスのトップの男子がSSK(好き好きクラブ)というものを結成した。タイムリープ出来るのであれば「クラブならSSKじゃなくてSSCだよ~」と教えてあげたい。

SSKのクラブ会員となる条件は「自分の好きな子を明かすこと」、「会員以外の人には他の人の情報を漏らしてはならないこと」の2点であった。私は、勇気を出して好きな子の名前を言って入ったのだが、リーダーのやつだけは、「俺はリーダーだから言わん」と言って他の男子の好きな人を聞くだけ聞いて、最後の最後まで明かさなかった。また、SSKはその恋を実らせるように協力するだとかそういったことは一切無い。いってしまえば、活動内容は何もない。これはクラスのトップの男子が他の男子の好きな人を把握するためだけの機関だったと思われる。彼は小学生にして社会の闇を模したシンジケートを発足してしまっていたのかも知れない。