デカダンス ダンス

地獄詩人ヘルポエマーによる地獄詩のブログ。

東京優駿  ~ビューティフル・ドリーマー アホな友達~

そして目覚めた朝に風を感じて

夢の続きを引きずる日々にkissを

  これはGLAYのBEUATIFUL DREAMERからの引用である。ここの歌詞は、曲の冒頭なのだが、『そして』から歌いだすという斬新さがある。代表曲となっているHOWEVERの曲名も日本語訳すると『しかしながら』であり、こちらも新鮮である。TAKUROやるねえ。

 

 GLAYBEAUTIFUL DREAMERは車のテレビCMで使用されていたと思うのだが、初めて聴いた時はシャーマンキングのOPくらいかっこよくて興奮した。その頃は曲を調べる術も、ディグり習慣もなかったので、高校に入ってからGLAYファンの友人に教えてもらってGLAYの曲であることを知った。この友人は、「この前行ったライブでビュードリのAメロの君にキスをってとこでTERUが投げキッスしてたけど、すげえ会場が沸いてたわ!TERUのことめちゃくちゃ尊敬してるけど需要ねえだろとおもっとったわ。」と話していた。

 ただいま披露したこの我が懐かし小エピソード、およびGLAYは表題のビューティフル・ドリーマーというのになんら関係がない。

 

 

 本記事は、「久々に競馬にきたらうれしくなっちゃった~」というものなので、本題の競馬の話に入る。東京競馬場に来たのは、大学生の頃に競馬遠征で来た時以来である。その時の目当てのレースも今回同様日本ダービーであった。大学の時は本気で予想しており、1時間かけて1頭の穴馬を入れるか迷い続けるほどであった。そして、入れるか迷った末に外した穴馬は、3着に入り三連単を取り損ねた。そうして今でも悔やまれるレースとなっている。思い出深い。



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 今までは、日本ダービーは『競馬の甲子園』という捉え方が自分の中にあった。それは、選ばれし力を持った馬だけが出馬できるということと、年齢による制約があるということが起因している。日本ダービーはどの年でも青春真っ只中の馬に対して強い感動を覚えていた。しかし、今回は「自転車でいける範囲だし行くか~」という軽い気持ちでの参戦であり、馬と騎手に対する想いが確実に不足していた。ゆるいスタンスでの参戦のため、皐月賞青葉賞等のチェックはおろか、本レースの予想もろくにしなかった。完全なるにわか勢であり、4年に1度のサッカーファン、急にカープ女子を名乗りだすヤツ(代表は加藤紗理)と「ファッキンにわか同盟」として名を連ねることに異存は無い。うかれ気分でロックンロールといったテンションだけでダービーを楽しみに来ているからか、今年の日本ダービーは『競馬のお祭り』といういいまわしが自分の中で妙にカチッとハマった。祭りの中でも、とりわけ学園祭にいるような気分だった。さだまさしによる国家独唱や、表彰式が全校生徒で体育館に集まっているような気分にさせた。それに加え、ファンファーレ時の緊張感にも仕事などで味わう緊張とは全く別物であることを示すかのようなハツラツとした青さがあった。そして、ファンファーレの時に絶対ズレるおっさんたちの手拍子。音楽のイベントであの手拍子を聴いたら誰しもが気を悪くするだろう。しかし、競馬場では、あのズレる手拍子が学生の手作り感のような、程度の低さが良さに転じるスペシャリティを放出するのである。愛おしさしかない。

 

 日本ダービーが学園祭のように感じられたのは、先月に観た『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』という映画で描かれていた情景が頭にあったからかもしれない。これは監督が押井守であり名作として名高い作品である。この映画は学園祭の前日が繰り返されることから物語が始まる。主人公のあたるのクラスの出し物は『純喫茶 第三帝国』という男子のおふざけといえる模擬店である。そこに青春ならではのアホさ加減が存分に出ていて、自分が高校・大学の頃の学園祭と重ねることができた。あの学園祭の雰囲気は一見の価値があるのではないだろうか。学園祭の雰囲気を度外視しても、基本コメディであるはずが、胸にささる名台詞やシニカルな表現もあるので作品としてオススメである。リンク貼るのは止めときますけど、Yから始まる世界最大の動画共有コンテンツにこの映画がフルであがってました・・・。

 

 表彰も終わり競馬場を後にすると、夏の終わりの夕暮れのような寂しさが身体にじんわりとした気だるさをもたらした。梅雨すらきていないのに。この気持ちを増幅させてやろうと、ザ・なつやすみバンドの『TNB!』、□□□の『ファンファーレ』、Lantern Paradeの『夏の一部始終』を聴いたところ、目論見通りのガンギマリだった。

 

 

 そこからライブを観ようとrojiに向かったが、自分が到着する少し前に受付を終了したとのこと。むぅ、無念。

 

 

 この日に学んだこと、にわか勢が一番楽しい。思考を放棄することが大事。

 

 

 

 

 日にちが少し飛んで6月1日の夜(正確には6月2日午前1時40分スタート)、下北沢スリーで思い出野郎Aチームのライブを観た。先月は六本木でceroのフリーライブを観たし、「東京に来てよかった」と思える事柄が少しずつ追加されることが感慨深い。全曲アゲなのだが、『アホな友達』が特に素晴らしすぎた。『アホな友達』をきいて思い浮かべる友達は間違いなくサイコーだし、一生大事にすべきである。学園祭に関することを書いたのでここでも触れるが、学園祭はアホ発見器な一面があると思う。それまで接していて堅物でノリの悪いヤツと感じていた友達が、学園祭でバグりだしたり、隠されていた素のアホさが出てしまったり、面白い悪ノリアイデアの発想センスがあったりと、いろいろなカタチでアホエッセンスをこぼしてしまう人が見つけられる。結局、うる星やつらでは面堂が一番アホなんじゃないかな。アホっていいなぁ。


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帰りに撮った写真。